92:湯の効能は気にしたら負け
温泉は身体に良い。それ自体は正しいことです。湯にはそれぞれ泉質があり、それぞれ効能があります。
単純温泉なら神経症、リウマチ。硫黄泉なら慢性皮膚病、慢性婦人病。ナトリウム-塩化物泉なら切り傷、やけど。単純二酸化炭素泉なら高血圧、動脈硬化…
確かに効能としては有効なのですが、これはあくまでも湯治した場合の話。2回か3回入浴した程度では何の効果も期待できません。
最低でも2~3週間は逗留して毎日入湯してはじめて効果を発揮するのです。
ですので、泉質よりも単純に転地効果や自然と触れ合ってリラックスすることに重点を置きましょう。
逆に気を付けたいのが禁忌症。
泉質に関わらず、急性疾患(特に熱がある場合)、悪性腫瘍、活動性の結核、心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、その他の一般に病勢進行中の疾患に該当する人は温泉に入るのは避けましょう。
93:湯あたりしたら元も子もない
宿に到着するなりせっかく来たのだからと即効で浴場へ行き、いつもより長湯した上に、晩に3度も朝にも2度と、元を取らねば!とばかりに入湯する人がいますが、あまりよろしくありません。
なにより湯あたりのおそれがでてきます。湯あたりとは温泉の作用が効きすぎて全身がだるくなったり、発熱したりすること。
なにごとも適度が一番。入浴は1日に2~3度までにしておきましょう。長湯も控えた方が無難です。
また、飲酒後の入浴は厳禁。ぶっ倒れます。
94:最後にシャワーを浴びない
温泉はひとりではなく、大勢で共有する空間なわけですから、当然入浴のルールに従う必要があります。
最初に掛け湯をしてから湯船に浸かること、湯にタオルを浸けないこと、露天風呂でせっけんやシャンプーを使わないこと、脱衣場には濡れたままで上がらないことなどがあります。
ルールではありませんが、湯からあがる時に、〆にシャワーを浴びる人がいますが、これはせっかくの温泉の有効成分を洗い流すことになってしまうので、シャワーは浴びず、タオルで水気を軽く取る程度にしておきましょう。ただ、肌がかぶれやすい人はこの限りではありません。
95:美肌の湯は保湿も兼ねた泉質を選ぶ
温泉の効能に関しては長期間入浴を繰り返すことで効果を示すものがほとんどですが、1度入っただけで効果が実感できるものがあります。
その正体は美肌の湯。美人湯とも呼ばれます。肌がしっとりすべすべ、潤いでつるつるになる泉質です。
これらの泉質に共通することはアルカリ性であること。
ただ、炭酸水素塩泉やアルカリ性単純温泉だと、確かにつるつるになるのですが、入浴後は皮膚からの水分発散が盛んになり、逆に乾燥しやすくなります。この泉質の場合は、入浴後に別途保湿の必要があるわけです。
しかし、世の中には美肌プラス保湿の効果までもプラスした完璧な泉質の温泉もあるわけで。
それがアルカリ性塩化物泉やナトリウム-塩化物炭酸水素塩泉です。旅先にこの泉質の湯があれば、迷わずそちらをチョイスしましょう。
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