こんな旅のカタチもある
旅には出たいけれど、おカネもないし、連休もないとお悩みなら、最安わずか120円で遠くまで行けちゃう日帰りの汽車旅はどうでしょう。
えっ? そんなこと無理でしょ、と思っちゃうのも当然のこと。しかし、できちゃうのです。
ただし、いくつか条件がありますので、それをクリアできないといけませんが。
8:JR大都市近郊区間大回りの旅
題して「JR大都市近郊区間大回りの旅」とは、JRの規約に設定されている特別ルールを利用した日帰りの汽車旅。
というわけで、JRしか利用できませんし、なおかつ東京近郊、大阪近郊、新潟近郊、仙台近郊、福岡近郊の5つのエリア内でしか使えない制度です。
ですので、札幌や名古屋や広島あたりは適用外ということになります。
この制度を簡単に説明すると、該当するエリア内では、改札に入る出発駅から改札を出る到着駅の最短ルートで算出した運賃だけで、大きく迂回するルートを乗車することができるということ。
下図を見てみましょう。A駅から隣のB駅に行くには通常
は「1」のように最短のルートの列車に乗り、最短の運賃を支払います。
ところが、「2」のようにぐるっと大きく回りこんで行く方法もあるわけです。本来なら乗車した距離に応じて運賃を支払わなければいけませんが、上に挙げた5つのエリア内では、A駅からB駅の最短距離での運賃で長距離の迂回乗車ができます。
つまり、初乗り運賃で長距離の電車での移動ができるのです。JR東日本だと最安の初乗り運賃は140円。JR西日本なら120円、JR九州なら160円です。
9:大回りのルールを知ろう
この「JR大都市近郊区間大回りの旅」ができるのはさきほど挙げた5つのエリア内のみです。エリアから出ることはできませんし、エリアを跨ぐこともできません。
早速5つのエリアの範囲図を見て行きます。まずは東京近郊区間のエリアから。
結構広い範囲ですよね。2014年の4月と10月にそれぞれエリアが拡大されています。
続いて他の4エリアも見てみましょう。大阪近郊区間は東京ほどの広さはありませんが、それでもあちこち行けそうですね。福岡と仙台、新潟近郊区間はかなり行き方が限られますが。
大回りのルールの2番目は、同じ駅や同じルートを2回通過できないこと。つまり一筆書きできるルートでしか移動できません。
3番目のルール、これが実は一番イヤなルールなのですが、ルートの途中で改札を通ることができません。つまり駅から出られません。途中下車ができないという意味です。
でもよく考えたら当然のことですよね。駅から出られるのなら誰も正規料金で乗ったりしません。
最後、4番目のルールですが、エリア内であっても新幹線は使えません。また、当日限り有効です。日を跨いでの利用はできません。