どうせ入るなら最上の湯に浸かりたい
国内旅行の醍醐味のひとつが温泉。風光明媚な土地で浸かる湯の歓びは何物にも代えがたいですよね。
ただ、ひとことで温泉と言っても、なにかと奥が深いモノ。星の数ほどある浴場は、その数だけ個性があるわけで、それを知っているのと知らないのとでは、感慨も違ってくるというわけです。
入湯する前に知ってて良かったと思える温泉選びのコツとアイデアを、どどんとピックアップしていきましょう。
89:源泉かけ流しにもウラがある
源泉かけ流しをウリにしている温泉宿やホテルはたくさんありますが、その宿で使われている湯がすべて源泉かけ流しだという意味ではありません。
そもそも源泉かけ流しとは、湧出した、もしくは汲み上げた湯に何の手も加えずそのまま湯船に注がれているという意味。
しかし、湯の成分が強すぎてそのままだと浴用に適さない場合や、極端に源泉の温度が高い場合は、水で薄めて入浴するのにちょうどよい按配に調整することがあります。
温度管理を理由にしている場合は源泉かけ流しでもなんでもありません。けれども前者の理由であるならば源泉かけ流しの看板こそ掲げることはできませんが、これが入浴者にとって一番適切な湯の管理なわけです。
現実問題、湧出する湯量には限りがあります。よほど湯量豊富な温泉地でも、湧出量の低下や枯渇に悩まされている箇所がかなりあるのです。
まして多くの湯船を配置して大量に湯を消費する大旅館やホテルの温泉では、とてもではないですが供給される湯量が足りなくなるものです。
すべての大旅館やホテルがそうだとは言いませんが、源泉かけ流しを謳いつつ、足りない湯量を水で薄めて補完しているところがかなり多いのが現実です。
温泉選びのポイントとしては、源泉かけ流しにこだわりたいなら、あまり浴槽が多数ある大規模な宿や施設ではなく、こじんまりとした施設の宿や施設を選ぶほうがハズレが少ないでしょう。
逆に源泉かけ流しよりも、浴場の広さや設備にこだわる人は「源泉かけ流しだったらラッキー」だと思う程度にしておいたほうがよさそう。
90:循環式も悪くはない
多くの湯船を持つ豪華で広い温泉施設は、源泉かけ流しではなく、あらかた循環式のシステムを採用しています。
循環式とは湯船に注がれた湯のうち少量を捨て、残りを浄化してから、源泉から汲み上げた新しい湯と一緒に再度湯船に注ぎ込む方式。いわばお湯のリサイクルです。
循環式の落とし穴は衛生管理。きちんと管理されていれば何の問題もないのですが、経費節減や知識不足などで管理がなおざりになり、定期清掃や湯の交換が滞ると、レジオネラ菌が発生するなどの事故が起こってしまいます。
逆に言えば、きちんと管理されていれば循環式でも何の問題もありません。たくさんの広い浴場を満喫する楽しみを優先する旅ならば、循環式も許容しましょう。
91:入浴時に循環式かどうかを見分ける
入浴している最中ならば、源泉かけ流しか循環式かを見分ける目安があります。
次回からその宿や施設を使うかどうかの判断基準の一つにする…くらいしか使い道はありませんが。
湯船の底や横壁面に吸水口があり、手をかざすと吸い込まれる感覚がする場合は循環式です。
また、飲用できる泉質であるのにも関わらず、湯船の注ぎ口から出てくる湯が飲用不可になっている場合も循環式である場合が多いので参考までに。