JR大都市近郊区間大回りの旅
駅から出られないなんてつまんない…とガッカリした人もいるかもしれません。電車に乗るのが苦痛で仕方ないという人には全く不向きな旅ではありますが、車窓から景色を眺めているだけで旅気分を味わえるタイプなら、ぜひオススメです。
単に電車に乗るだけでなく、行く先の駅構内にもお楽しみがあります。
10:実際に大回りのルートを考えよう
前ページで挙げた4つのルールを踏まえて、実際に大回りの旅のルートを考えてみましょう。時刻表のサイトを参考にして、休日ダイヤや乗換え時間、ラッシュ時の混雑具合などにも注意しながら行程の予定を立てていきます。
余裕をもった行程を組みましょう。
例としてJR中央線国立駅近くに住んでいると仮定して、立川駅を出発駅とし、国立駅を到着駅とするルートを考えてみました。
朝、国立駅から1駅分、立川駅までの切符を買います。140円。この区間の定期券を持っているならば実質ゼロ円ですね。もちろんSuicaでもOK(133円)です。
そして立川駅で一旦下車し、改札を出て、ここで新たに切符を購入します。140円です。Suicaで再入場でもOKですが、後述するトラブル防止のために、切符での実践をオススメします。
立川駅8時1分発の青梅線に乗車して、旅は始まります。ラッシュ時には都心方向とは逆へ向かう電車に乗れば空いています。
八高線の高麗川以北は首都圏では珍しい非電化路線。ディーゼルカーでのんびり進みます。沿線風景もどことなくローカル色たっぷりで旅情を味わえます。
高崎駅では名物駅弁だるま弁当(1,000円)を買っておきましょう。普茶料理風の味付けがされた山菜や群馬の名物がだるま型の容器に入っています。だるまの口の部分が空いているので、容器を持ち帰って洗えば、貯金箱になっちゃいます。
小山に向かう車内が空いているなら、車窓を眺めながらいただくと旅情バツグン。
小山駅では食後のコーヒーブレイクでもいかが? 西口近くにBECK'S COFFEE SHOPがあります。
早食いに自信があるなら、我孫子駅の乗換え時に1、2番線にある立ち食いそば屋「弥生軒」の唐揚げそば400円をどうぞ。でっかい唐揚げがどんと載っています。山下清画伯が働いていた店としても知られています。
千葉県まで来れば、さすがにちょっと疲れも出ます。電車の揺れもあいまって、つい寝てしまうことも多いはず。乗り換え駅到着時間の数分前にバイブレーションのアラームをかけておけば、寝過ごすこともありません。
東京駅まで来たら、あとは消化試合のようなものです。駅ナカの飲食店で晩ごはんを食べてしまいましょう。お酒も飲んでしまえばすっかりいい心地。
あともう少し乗り足りないなら川崎方面へ向かえばいいのですが、さすがに電車にも飽きてきた場合は、ルートを変更して中央線でまっすぐ帰るのも方法です。
11:大回りでトラブルに遭わないために
大回りの旅で気を付けておきたいこと、それはキセル乗車になる行為をしないこと。そしてキセル乗車だと思われない行動をとることです。
到着駅で改札口を出るとき、切符の場合は自動改札ではなく有人改札を通りましょう。自動改札では時間制限に引っ掛かかり、ゲートが閉ってしまうためです。
また有人改札でも、車内検札でも駅員や乗務員にキセル乗車だと思われないために、大回りの行程表を見せて「大回りです」とひとこと告げればあらぬ誤解を受けずにすみます。
行程表は一筆書きのルートと駅名がパッと見てすぐわかるものを作っておきましょう。